コンクリートの強度

土木の工事現場や建設現場でよく使用するコンクリート。

以前にも説明した通り、コンクリートはセメントに水・砂・砂利を混ぜ合わせて作る建設資材です。「コンクリートとモルタルとセメント

自由な形を作ることが出来るし強度もあるので良く使われる建設資材なのですが、コンクリートの強度について少し詳しく書きたいと思います。

まず土木技術者が使う強度とは一般的に材料を支えられる最大の応力度のことで、対象とする応力度の種類、使いどころにより分類されて使われます。

単位は「N/mm2」がよく用いられます。

強度はどの種類の応力度に対する強度化によって呼び方が異なり、圧縮強度、引張強度、せん断強度、曲げ強度などがあります。

図に示すとこのようになります。

圧縮強度は材料がどの程度の圧縮応力度まで支えられるかを示す強度で、一般的にコンクリートの強度を圧縮強度で示すことがほとんどです。

コンクリートの引張強度は、圧縮強度と比べて1/10~1/13程度と小さく、この弱い性質を鉄筋と組み合わせて補っています。

コンクリートのせん断強度は、圧縮強度の1/4~1/6程度です。

コンクリートの曲げ強度は引張強度よりかは少し大きいですが、圧縮強度の1/5~1/7程度で、これも鉄筋と組み合わせることで弱点を補っています。

コンクリートの長所

強度特性 - 圧縮強度が高い。水セメント比(W/C)が小さいほど強度が増大する。

物理的性質 - 重い。重力式構造物には長所となる。水密性が高い。水を通しにくい。

耐久性 - 耐火性があり、劣化しにくい。

その他 - 安価な材料で作れる。任意の形状に出来る。

コンクリートの短所

強度特性 - 引張強度が低い。この弱点を鉄筋と組み合わせることで補える。

物理的性質 - 重い。橋梁では重い事が弱点となる。透水性を求められると強度は得難い。

耐久性 - 鉄筋コンクリートの場合、内部の鉄筋が腐食すると劣化する。

その他 - 解体に費用がかかる。設計者、製造者、施工者の技量や管理状態で品質が左右される。

このように長所を生かし、短所を補ってコンクリート構造物は作られている。

ダムや砂防は重力式コンクリート構造物で、重力式と言うだけあって重い性質を活かし、さらに水密性の高さと水を通しにくいという性質を最大限活かした構造物です。

短所については、鉄筋やPC鋼線と組み合わせてコンクリート構造物を作ることにより、弱点である引張強度を補ってより強度の高い構造物を造っています。

橋梁などが鉄筋コンクリートで出来ています。

コンクリートの強度について勉強すると、とても面白いなぁと感じます。

まだ土木業界に入りたての頃、先輩から「コンクリートは生き物だ!」と教えられたことがあります。

品質の良いコンクリートを造るにはどうしたらいいのかに繋がる話ですので、今度それについて書いてみたいと思います。

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