ジャガイモ?

何がって思うかもしれないが、これは地球の話。

地球は北極と南極を結ぶ地軸を中心にして、自転する回転楕円体である。

これには重力が関係していて、遠心力の強くかかる赤道までの半径が北極・南極を結ぶ極半径よりも約21㎞長いので、完全なる球体ではなく楕円体であるという話。

さらに復習すると、VLBIや人工衛星を使って行う測量技術が発達したことにより、より正確に地球を観測できるようになったため、それまで日本独自の座標が世界水準の座標へと移り変わった。

そこでだ。

ジャガイモ?って思うのは高さの基準に関することで、標高という言葉には厳密な定義があって、標高10mというのは、海面が10m上昇した時に海岸線になる位置という意味で、高さの基準はその場所の平均海面の高さです。

標高が同じ2地点をパイプで結んで水で満たした場合、水準という言葉が示しているようにどちらにも水は流れません。水が流れるという事はそこに標高差があるということになります。

水を使えば標高が同じ場所を知ることが出来ますが、地球の中心からみると同じ距離ではないのです。

ある場所の地下に重い岩石が集まっていた場合、周囲より重力の値は大きくなります。そして水もそこに引き寄せられます。たとえば湖の中央付近に重い岩石があったなら、その真上で水面は盛り上がって見えるはずです。

地球の重力は細かく見ると場所によって違います。

地球が自転することによる遠心力の影響もありますし、上記のように重たいものは引き寄せる引力も強く働く為、重力も比例して大きくなります。さらに標高の高い場所ほど重力加速度が小さくなるため重力も小さくなります。(重力は引力と遠心力の合わさった力)

重力の影響も考慮したうえで標高の基準となる0m地点を結ぶと・・・

上記の水色の実線のような形になり、このジャガイモみたいな凸凹した面を「ジオイド」と呼び、この面が標高の基準になっています。

人工衛星を使った衛星測位では計算を簡略化するため、ジオイド形状によく似た仮想的な物体を高さの基準としています。地軸で回転させて出来た仮想的な立体を基準楕円体としていて、衛星測位で扱う高さはこの回転楕円体の面を基準とした楕円体高と呼ばれるもので標高とは違います。

測量屋に在籍していた頃、GNSS測量器で観測した時に「標高は使えない」と先輩から良く言われてきたんだけど、そもそも標高ではなく楕円体高だから・・・。

当時のGNSS測量器では標高の観測精度が悪かったのもあるが、算出されているものがそもそも違う。

当時の先輩はこれを理解していなかったんですね・・・。

こう見るとわかりやすいね。

みちびき(準天頂衛星システム)HP参考

https://qzss.go.jp/overview/column/geoid_151225.html

現在はGNSS衛星測位システムが充実し、国土地理院が提供する最新のジオイド・モデルを用いてGNSS水準測量が行えるので、衛星測位で高精度に標高を観測することができるようになったのだが、私が測量屋で働いていた1996年~2002年はまだ座標と標高と分けて観測していた。

私にはまだ昔の名残があって、たま~にGNSS測量器で高さは・・・ってドキドキする時がありますが、今は国土地理院が整備してくれているジオイド・モデルを使って高精度に標高を観測できるから、心配ご無用なんですね。

ジャガイモみたいなジオイド・モデルを眺めていたらジャガイモの口になってしまった・・・。

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