三角点・三角網

登山が好きな方は見たことがあるかな?

日本全国の全部の山頂ではないけど、ある程度標高のある山頂には三角点が設置されています。

それらを結ぶ線が三角網といい、三角点は全国に約10万点あります。

三角点とは?

日本の位置(緯度・経度)の基準を表す国家基準点のことで、各種地図作成、地籍調査、河川、道路、都市計画などの社会基盤整備に欠かせない位置情報です。

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では何故三角点は山頂などに設置されているのか?

三角点は明治5年に日本初の三角測量が実施されたことがきっかけで、当時は仮設標識に相当するものが明治7年に永久標識としての測量標柱の規格が定められ、以後三角点の設置、管理を国の機関が行ってきた。

明治時代に5万分の1地形図を全国整備することが目標だったのだが、緯度幅10分、経度幅15分の地形図を作成するには少なくとも30~40点の基準点が必要になる。

全国を約1300枚の地形図でカバーするには約4~5万点の基準点が必要となるのだが、まともに基準点を設置していては誤差がどんどん積みあがってしまう。

そこでまず大まかな三角網を形成し、これを基準にさらに小さな三角網を形成する方法を、必要な基準点に達するまで繰り返して誤差の累積を回避した。

距離を正確に測るには巻き尺しかなかった明治時代に、まず3km~10km離れた平坦な場所にある2点間の距離を正確に測り、もう1点を加えて三角形を作り、三角形の内角を測ります。

この1辺と内角から三角形の大きさと形を計算で求めます。

さらに点を増やして三角形の内角を測ります。

こうして三角形の網を作り、三角形の各点の位置を求めていったのですが、三角形の内角を測る観測のためには、観測する三角点から目標とする三角点が見える必要があるため、三角点は山の頂上付近など見通しのよい場所を選んで設置されたのです。

国土地理院HP

https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/sankaku-survey.html

今現在では測量機器が発展し、3次元の高精度な測量が可能になった為、以前のように測点間の視通の確保が不要で、天候にあまり左右されることなく測量ができます。

私がまだ測量を始めた当初は、光波測距儀と伸縮ポールと三脚などを担いで、登山道の無い山を笹薮かき分け登り、山頂付近で血眼になって三角点を探すといった感じで、携帯電話もそんなに普及していなかったので、山間部で通じるはずも無く、連絡は無線か衛星電話。

衛星電話は通話料金がバカ高かったので無線を主に使っていたのだが、距離が離れると通じない事が多く、山上って観測出来なくて山下って1日終わるなんてざらだった。

良い時代になったもんだよ。

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