測地系

地球を人工衛星から撮影した写真を見ると、地球は綺麗な丸い形をしています。これは、天体が大きくなって重くなると、万有引力(すべての物質がもつ引き合う力)も大きくなり、複雑な形を保つことができなくなるからです。引力によってつぶれようとする力と、内部の物質同士が反発しあう圧力がほぼ等しくなり、丸くなって安定するのです。地球に限らず、ある程度の大きさの天体はみな、丸い形になります。ボールが丸いのも,表面のゴムが引っ張る力と中の空気の圧力が等しくなるためです。

先日、地球は綺麗な球体ではない回転楕円体だとお話しました。「地球って丸じゃない?

地球は自転しながら太陽の周りを公転しているので、いつも遠心力が働いています。その遠心力の大きさは自転軸から距離が離れるほど大きくなるため、地球上では赤道上でもっとも大きく、北極や南極に近づくと小さくなります。その結果、地球は赤道方向に引きのばされ、ボールを上から軽くつぶしたような形の回転楕円体となるのです。

つまり、地球の赤道の長さと、北極と南極を通る線の長さは違っていて、赤道方向の半径(赤道半径)は6378㎞、北極・南極方向の半径(極半径)は6357㎞となり21㎞の差があるのです。

この21㎞の差は、地球全体の規模からするとごくわずかなので、だったら球体として考えてもダメなのか?と思いますが、地球には重力があります。

重力は引力と遠心力の関係で決まるので、緯度によって少しずつ変化します。

赤道では北極や南極より重力が約0.5%小さくなりますので、球体として扱う事が出来ないのです。

そこで、地球の形にできるだけ近い形として基準を定め、明治政府は、近代国家に不可欠な全国の正確な地図である5万分の1地形図を作るために、基準点網を全国に整備しました。この時採用された楕円体が、改正測量法の施行前まで使用されてきたベッセル楕円体です。そして、当時の東京天文台の経度・緯度が、天文観測により決定されました。この位置が現在の日本経緯度原点となっています。この測地基準系を「日本測地系」と呼んでいます。全国に設置された基準点の経度・緯度は、日本経緯度原点を絶対的な位置の基準として求められて行ったのです。

しかし、VLBIや人工衛星により地球規模の観測ができるようになった今日では、日本測地系は、残念ながら、地球全体によく適合した測地基準系であるとは言えなくなってしまいました。

そこで、観測技術の発達と共に日本の測地基準系が見直され、地球全体によく適合した世界測地系に移行していったのです。

私は1996年に測量会社に入社して3年働いた後、休職して測量専門学校へ通ったのですが、卒業して間もなく測量法の一部が改正されました。

これはそれまでの日本測地系から世界測地系を適用するため、平成13年に測量法の一部を改正し、平成14年4月1日から施行されました。また、測量法施行令の一部を改正する政令により、我が国の経度・緯度を世界測地系に変更するのに必要な数値が定められました。

最初に改正された世界測地系は「測地成果2000」です。

新しい時代に対応できる高精度な測地基準点成果を作るには、すべての基準点の位置座標を一斉に改定する必要があります。

そこで、国土地理院ではまず、新基準点網の骨格となる新しいタイプの基準点である電子基準点の整備に着手しました。電子基準点は、GNSS信号を24時間連続的に受信する観測施設です。観測データは、電話回線を通じて、茨城県つくば市の国土地理院に集められ、日本列島の地殻の日々の動きが捉えられるようになっています。電子基準点は、これまでに全国に1,240点が整備されています。

電子基準点の位置は、国土地理院がその一翼を担う国際的な協力の下で実施されているVLBIによって得られる地球上の正確な位置関係を基礎にして、正確に求めています。また、既存の三角点の位置は、電子基準点を既知として、当該三角点における一番新しい観測値を用いて計算を行って求めています。

この測地成果2000で運用して約10年経った平成23年(2011 年)東北地方太平洋沖地震に伴い、大きな地殻変動が観測されました。国土地理院では、三角点1,846 点及び水準点1,897 点の現地測量結果を基に、1都19 県における43,312 点の三角点位置及び1,897 点の水準点標高の計算を進め、改定値を公表しました。新しい測量成果の名称は、三角点及び水準点とも全国で「測地成果2011」に改め、基準点成果表の書式も変更しました。

また、地震の影響は原点にも及びました。日本経緯度原点は東に約27cm移動し、日本水準原点は2.4cm沈下したことが確認されました。このため、測量の正確さを確保するため、原点数値のうち日本経緯度原点の経度と原点方位角及び日本水準原点の高さを改正しました。

これまでの日本経緯度原点は、平成13年の測量法改正時に世界測地系の導入に伴い、原点数値が改正され、日本水準原点は、大正12年の関東大震災の後の昭和3年に原点数値が改正されましたが、2つの原点数値が同時に改正されるのは初めてとなります。なお、改定した測量成果は今回改正された原点数値に基づき計算されたものです。

日本測地系と世界測地系のずれ

観測技術が発達し、高精度で正確な地球の形を測れるようになってから、それまで日本独自だったのもから世界基準のものへと変化していったのです。

国土地理院HP

https://www.gsi.go.jp/top.html

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