平面直角座標系

先日、地球の半径についてお話ししました。「測地系

地球は完全なる球体ではなく、赤道半径が長い回転楕円体である。

こうなると子午線1度の長さが場所によって違うので、扁平率が変わってくるのですが、以前はベッセル楕円体の扁平率を使って日本独自の座標を決定していましたが、現在はVLBIや人工衛星を用いた観測で正確な地球の位置を測ることができるので、GRS80楕円体で世界基準の座標を決定しています。

赤道を境に北緯と南緯、ロンドンのグリニッチ天文台を通るラインを境に東経・西経となります。

この図を見て「ん?」って思ったでしょ?

数学座標は横がX軸で縦がY軸、測量座標は横がY軸で縦がX軸で計算します。

ここまでを頭に入れといて、VLBIやGNSSを使って測量すると、楕円体補正を行った正確な座標が決定されますが、工事現場などでは全て球面補正されているのでしょうか?

光波測距儀やトータルステーションを使って測量すると思うのですが、この方法だといちいち計算で球面補正しなければいけません。

そこで、地球は曲面ですが、地球上の位置を示す際、狭い範囲の測量であれば誤差も少ないことから、「平面」として計算したほうが便利なのです。

平面直角座標系とは、平面として計算を行えるように定められた座標系であり、比較的狭い範囲を扱う場合に適しています。

平面直角座標系は、日本を19のゾーンに分割して横メルカトル図法で投影し、各ゾーンに座標原点を設けて、その原点を通る子午線(縦線)をX軸、これに直交する方向(横線)をY軸としたものです。

国土地理院HP~平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)~

https://www.gsi.go.jp/LAW/heimencho.html

地球上の水平位置は、厳密には準拠楕円体上の地理学的経緯度によって表されるべきですが、位置・方向・距離等を平面上に投影して測量計算を行う事は、曲面上に比べ非常に簡単になり便利なのです。

伊能忠敬は日本を歩き回って測量したのだが、一日で測量できる距離が17㎞程度だったから、作成された「大日本沿海輿地図」の誤差は現在の日本地図と比べてもその差0.2%。

短い水平距離の積み重ねで日本地図を作成しても誤差がこんなに少ないとなると、狭い範囲の測量に平面直角座標を使っても誤差が少なく簡単で便利なのです。

----------------------------------------------

ブログランキングに参加しています。ポチっとして頂けるととても励みになります。

ブログランキング・にほんブログ村へ

応援宜しくお願い致します。<(_ _)>

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です