レベル
この間、ジオイド・日本のジオイドモデルについて書いたのですが、私が測量会社に入社して最初に勉強したのが標高を測る事でした。
国土地理院が整備している日本の基準点について、山の頂上などにある三角点、国道沿線上によくある基準点、水準点などがあります。
標高は水準点から高さを移すといったイメージで、レベルと標尺を使って観測します。
よく現場で聞くのは「ベンチマーク」「仮ベンチ」という言葉。
本来ベンチマークとは「指標」や「基準」といった意味があるのですが、測量の分野において高低差や建物の高さを測る際の基準点をベンチマークと呼ぶようになったことが由来です。
ただ、この言葉は使う業界や分野によって意味が違うってことだけ頭の片隅に入れといてくださいね。
この水準点、ベンチマークを使って、測量することを水準測量といい、使う道具はレベルと標尺(スタッフ)です。
レベルも標尺もいくつか種類がありまして、それぞれ特徴があります。
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まず紹介するのは「チルチングレベル」です。
内蔵された感度の高い棒状気泡管により機械の水平を出すレベル。
機械の水平出しをするための機構として整準ねじ以外に、望遠鏡部分のみを傾ける(チルト)ためのチルチングねじをもつことからチルチングレベルと呼ばれる。
望遠鏡を覗きながら整準の確認ができ、精度がよいために高精度水準測量に使われることが多い。
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次に紹介するのが「オートレベル」です。
本体内部の自動補正機構(コンペンセータ)によって、レベル本体が傾いても自動補正範囲内であれば、視準線が自動的に水平になる。
気泡管によって視準線を水平にするチルチングレベルなどに比べて、取り扱いが簡単で作業も迅速に行えるため、現在、使用されているレベルのほとんどはオート(自動)レベルである。
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次に紹介するのが「電子レベル」です。
従来のレベルとまったく異なり、標尺の目盛の読み取りを自動にしたものです。
そのため、標尺も特殊なもの(バーコードなどのパターンが印刷してある)を用いなければなりません。
メリットとしては複数の人員が操作しても読み取り値が一定になる(個人の読み取り誤差がない)こと、レベルと標尺の距離もボタン一つで計測出来ること、そのまま電子野帳などと使ってデータの保存が出来ること、などがあります。
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最後に「レーザーレベル」を紹介します。
これまで記載のものとは異なり、いわゆる"レベル"という範疇には属しませんので、公共測量にも使用できませんし、精度もかなり落ちます。
レベルという名前は付いていますが、本来はレーザー照準機や墨出しレーザーなどと同じレーザー機器の仲間です。
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レーザーレベル以外を使って水準測量をするのですが、テレビを見ていてとても面白いと思ったレベルを紹介します。
「鉄腕DASH」のコーナーの一つにDASH島があります。
その中で水路を造る際、水が流れるように高低差を測らなければならず、島にあるものでどうやって測量するかとTOKIOのメンバーが試行錯誤していました。
水平がわかれば高低差がわかることから、水を使えば測量できるんじゃないかとなり、できたレベルがこちら。
桶に水を張り、浮力が大きい木蓋の上に高さが同じ基準となる棒取り付けたものを浮かべ、2点間の高低差を見る。
これにより高さを測りながら、水路を完成させた。
江戸時代はこうやって測量していたそうです。
原始的だけど凄く理にかなった方法ですね。
次回は標尺の種類とレベルの観測方法を書きたいと思います。
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