プリズム

光波測距儀やトータルステーションなどで測量をする際に使用するプリズム。

測量器本体からプリズムに光の波を発射し、光がプリズムに反射して返ってきた際の、光波のズレを測定することで距離を測っている。

本来プリズムとは、光を屈折・分散・全反射・複屈折させるための光学素子であり、ガラス・水晶などの透明な物質でできた多面体で、その面のうち少なくとも一組が平行でないものである。

上記の図を見てもらうとわかるように、このプリズムだと太陽から出ている白色光がプリズムを通すと屈折し分散する。

これでは光が行きっぱなしになってしまうため、光波測距儀やトータルステーションなどで距離を観測する事が出来ないのだが、測量用のプリズムはどのような入射角に対しても入射光と平行に光が反射する仕組みになっていて、発射した測量器本体に光が返ってくるから距離を測定できるのです。

最近はいろんな種類の測量用プリズムがあって、値段もピンキリ。

以前は両端のプリズムが主流で、測量器本体に向けないと距離を測定できなかったのが、360度プリズムが登場してからはプリズムの向きを気にすることなく距離を測定できるようになった。

測量機器自体凄い発展しているので、プリズムが無くても測定できるようになり、ワンマンで精度の高い測量が出来るようになってきた。

私が測量会社に勤めていた頃は、360度プリズムなんてまだ無かったので、赤白ポールにプリズムを付け円形気泡管も付けてよく走らされたもんです。

観測する度にプリズムの向きを注意され、プリズムの高さを上げ下げしながら、汗だくになって測量していました。

現況を測量していた時に、ガードレールやスノーポールはプリズムを立てなくてもいいからと言われ不思議に思って先輩の作業を見ていると、反射材に向かってレンズを合わせ測距ボタンを押している。

当時使っていた光波測距儀はノンプリズムではないので、何故距離が測れるのか不思議に思い反射材をよく見てみると、測量用プリズムと同じで小さい三角形の反射材がハチの巣のように沢山付いている。

測量用プリズムと同じ構造の反射材になっているから、そこに照準を合わせ測定していたのだ。

仕組みを知ってピンときた。

夜間に車で走行している時に、ガードレールの支柱についている丸い反射板やスノーポールの赤白矢印や赤白のポール部分などが光って見えるのは、車のライトの光が反射して車内にいる人のところまで返ってくるから光ってみえるのだ。

光波測距儀の光と違い、車のライトは広範囲に拡散された光なので、反射板に当たった一部の光のうち入射角が車内と平行になった光が見える仕組み。

深いなぁ・・・。

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