水準測量

水準測量は、簡単にいうとこの間書いた記事の「レベル」と「標尺」を使って、高さを観測する測量の事で、詳しくいうと、標高の成果を有する水準点に基づき、水準点間の高低差を測定し、水準点の標高成果を得る測量のことをいいます。

2地点に標尺を立て、その中間にレベルを水平に整置して、2つの標尺の目盛りを読み、その差から高低差を求める測量を直接水準といいます。この繰り返しで、水準点間の高さを求めます。

水準測量に使用される測量機器は進化を遂げましたが、高精度に高さを求める基本的な測量方法は今も昔と変わっていません。レベルと標尺間の距離を等しくしたり、レベルの据え回数を偶数回にするなどの工夫をして誤差を小さくしています。

日本の標高は、東京湾の平均海水面を0mとして測っています。

海水面は、風、月、太陽の動きなどによってたえず波打っていますが、長い年月連続的に観測(験潮)し、その平均をとると一定の高さを示します。

これを平均海水面といい、日本水準原点の高さは東京湾の平均海水面から測ったものです。

水準点の高さを定めるため、明治24年(1891年)に「日本水準原点」が設置されました。全国の主要な道路沿いに設置されている水準点の高さは、この日本水準原点に基づいて水準測量により決められ、この水準点がその地域において行われる高さの測量の基準となります。

日本水準原点は、経年変化による高さの変動が生じないように、基礎が地下10mまで達しています。しかし、大正12年(1923年)の関東大震災で大きな地殻変動があり、日本水準原点の標高は24.500mから24.414mに変更され、昭和24年(1949年)の測量法施行令制定により24.4140m と定められました。 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に伴い、現在の標高は24.3900mとなっています。

日本水準原点は、神奈川県三浦市三崎にある油壺験潮場から定期的に水準測量を実施し標高の値を点検しています。

国土地理院HPから引用

https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/suijun-base.html

高さの観測方法は下の図のように行います。

レベルを移動させながら観測するのですが、最初に(Ⅰ)を観測し次に(Ⅱ)を観測します。

そしたらレベルを移動するのですが(Ⅱ)をもう一度観測するので(Ⅱ)は同じ場所でターンすることになり、このことを「ティーピー」するっていいます。

ティーピーは「Turning Point ターニング・ポイント」の頭文字で、私は昭和のおっさんなんで「テーピー」って言っちゃいますがね・・・。

この作業を繰り返して、高いところへ標高を移します。

上の図の1スパンを拡大すると

このようになり、A地点を後視(Back Sight バックサイト)B地点を前視(Fore Sight フォアサイト)と言います。

TPも繰り返しながら観測した野帳はこのようになり、この書き方が計算しやすいかと思います。

字が汚いので見づらかったらごめんなさい。

計算方法はまず水準点の標高(100.000)とB.S(1.201)をプラスします。それが器械高(101.201)でそこからF.S(0.802)をマイナスするとT.P1の標高(100.399)になります。

次にT.P1の標高(100.399)にT.P1のB.S(2.248)をプラスします。それが器械高(102.647)になり、そこからT.P2のF.S(0.883)をマイナスするとT.P2の標高(101.764)になります。

以下これを繰り返します。

私はずーっとこの書き方で、一度計算したら必ず逆からも計算してチェックします。

逆から計算すると、水準点の標高(107.600)に水準点のF.S(0.789)をプラスし、器械高(108.389)を確認したら、そこからT.P5のB.S(2.155)をマイナスするとT.P5の標高(106.234)になります。

以下これを繰り返し、出発した水準点の標高(100.000)になるかをチェックします。

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